事件
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
R1 | 72 | 88 | 117 | 107 | 99 | 89 | 76 | 65 | 78 | 103 | 75 | 92 |
H30 | 66 | 86 | 123 | 162 | 149 | 117 | 102 | 109 | 137 | 85 | 94 | 100 |
H29 | 68 | 94 | 69 | 65 | 85 | 84 | 75 | 99 | 114 | 102 | 77 | 82 |
H28 | 101 | 80 | 112 | 99 | 83 | 100 | 91 | 87 | 83 | 97 | 91 | 115 |
患者数
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
R1 | 1,171 | 1,370 | 1,990 | 1,394 | 1,058 | 864 | 736 | 1,126 | 628 | 439 | 444 | 1,798 |
H30 | 1,174 | 1,099 | 2,193 | 1,643 | 1,673 | 1,691 | 1,175 | 1,289 | 1,329 | 495 | 1,203 | 2,318 |
H29 | 2,247 | 2,770 | 1,176 | 701 | 1,365 | 1,011 | 910 | 1,500 | 1,038 | 1,198 | 901 | 1,647 |
H28 | 2,321 | 1,545 | 2,278 | 2,059 | 1,364 | 1,051 | 1,490 | 1,224 | 727 | 1,109 | 1,705 | 3,379 |
食中毒は年間を通して起きており、冬場はノロウイルスの集団感染などにより患者数は特に増加する。
患者数500人以上の事例
都道府県 | 原因施設 | 原因食品 | 病因物質 | 患者数 | 死者数 | 摂食者総数 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
H30年 | 1 | 京都 | 給食施設 | 提供された食事 | 細菌-ウェルシュ菌 | 621 | 0 | 1,132 |
2 | 広島 | 仕出し屋 | 弁当 | ノロウイルス | 550 | 0 | 不明 | |
H29年 | 1 | 和歌山 | 学校 | 磯和え(給食) | ノロウイルス | 763 | 0 | 2,062 |
2 | 東京 | 学校 | きざみのり | ノロウイルス | 1,084 | 0 | 3,078 | |
H28年 | 1 | 東京 | 飲食店 | 鶏ささみ寿司 | 細菌ーカンピロバクター | 609 | 0 | 14,000 |
2 | 京都 | 旅館 | 不明 食事 | ノロウイルス | 579 | 0 | 1,187 |
死者が発生した食中毒事例
都道府県 | 原因施設 | 原因食品名 | 病因物質種別 | 患者数 | 死者数 | 摂食者総数 | 死者年齢 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
R1年 | 1 | 奈良 | 仕出屋 | 不明;弁当 | ノロウイルス | 81 | 1 | 184 | 50~59歳 |
2 | 群馬 | 家庭 | イヌサフラン | 植物性自然毒 | 2 | 1 | 2 | 70歳~ | |
3 | 秋田 | 家庭 | イヌサフラン | 植物性自然毒 | 1 | 1 | 1 | 70歳~ | |
4 | 広島 | 家庭 | フグ | 動物性自然毒 | 1 | 1 | 1 | 70歳~ | |
H30年 | 1 | 北海道 | 家庭 | イヌサフラン | 植物性自然毒 | 2 | 1 | 2 | 70歳~ |
2 | 北海道 | 家庭 | イヌサフラン | 植物性自然毒 | 1 | 1 | 1 | 70歳~ | |
3 | 三重 | 家庭 | ニセクロハツ | 植物性自然毒 | 1 | 1 | 1 | 70歳~ | |
H29年 | 1 | 東京 | 家庭 | 蜂蜜 | 細菌-ボツリヌス菌 | 1 | 1 | 1 | 0歳 |
2 | 北海道 | 家庭 | イヌサフラン | 植物性自然毒 | 3 | 1 | 3 | 70歳~ | |
3 | 群馬 | 飲食店 | 不明 | 細菌-腸管出血性 大腸菌 | 11 | 1 | 40 | 1~4歳 | |
H28年 | 1 | 北海道 | 家庭 | イヌサフラン | 植物性自然毒 | 2 | 1 | 2 | 70歳~ |
2 | 北海道 | 家庭 | スイセン | 植物性自然毒 | 1 | 1 | 1 | 60~69歳 | |
3 | 宮城 | 家庭 | イヌサフラン | 植物性自然毒 | 1 | 1 | 1 | 70歳~ | |
4 | 秋田 | 家庭 | トリカブト | 植物性自然毒 | 1 | 1 | 1 | 70歳~ | |
5 | 千葉 | 老人施設 | ゆかり和え | 細菌-腸管出血性 大腸菌 | 52 | 5 | 125 | 70歳~ | |
6 | 東京 | 老人施設 | ゆかり和え | 細菌-腸管出血性 大腸菌 | 32 | 5 | 94 | 70歳~ |
有毒植物 イヌサフランによる食中毒について
近年、有毒植物の誤食による食中毒が増加しています。なかでも、イヌサフランの誤食による食中毒は目立ち、毎年のように死亡事例が報告されています。
イヌサフランとは?
イヌサフランは多年生の園芸植物で、秋にピンク色のサフランに似た花をつけます。春になると20~30cmほどの葉を伸ばしますが、葉は夏になると枯れ、花が咲くときには葉はありません。球根は直径が3~5cmで寒さに強く、地面に植えたままで何年も花をつけます。
アヤメ科のサフランと名前も花の形も似ていますが、別の植物です。植物全体に猛毒を含んでおり、少し食べただけでも下痢や嘔吐、皮膚の知覚減退、呼吸困難などの症状を引き起こし、重篤な場合には死亡することがあります。この毒は、加熱調理しても変わりません。葉をギョウジャニンニクと間違えたり、球根をギョウジャニンニクやニンニク、タマネギと間違えて食べてしまうことによる食中毒が起きています。
葉の特徴
球根の特徴
寄生虫による食中毒
食品には、いろいろな種類の寄生虫が存在することがあり、中には人が食べると激しい痛みやおう吐などの症状を起こすものもあります。近年、寄生虫による食中毒が増加の傾向のにあり、特にアニキサスによる食中毒が著しく増加しています。
過去3年間のアニキサスによる食中毒発生状況(患者数)
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 合計 | |
R1 | 22 | 29 | 32 | 35 | 28 | 32 | 23 | 13 | 19 | 45 | 30 | 30 | 338 |
H30 | 15 | 28 | 33 | 75 | 76 | 46 | 34 | 45 | 38 | 44 | 24 | 20 | 478 |
H29 | 7 | 13 | 19 | 13 | 18 | 21 | 18 | 19 | 28 | 32 | 27 | 27 | 242 |
合計 | 44 | 70 | 84 | 123 | 122 | 99 | 75 | 77 | 85 | 121 | 81 | 77 | 1058 |
*1年を通して発生している、真夏(7、8月)は冷凍や加熱などの処理を行うため比較的少ない
2018年(平成30年)は例年よりもカツオに多くのアニキサスが寄生し、各地で食中毒を起こし問題になり厚生労働省による調査も行われました。
寄生虫食中毒の対策
寄生虫の多くは加熱または冷凍すれば死滅します。そのため、対策としては加熱調理が有効です。また、刺身など生食する場合は冷凍・解凍後のものが安心です。
一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニキサスの幼虫は死滅しません。
代表的な寄生虫 アニキサス
アニキサスは寄生虫(線虫)の一種です。
アニキサスの幼虫は長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。
代表格と言われているのは、サバとサンマですが アジ、カツオ、イワシ、サケ、イカなど多くの魚介類に寄生します。
アニキサス幼虫は、寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動することが知られています。
アニキサスによる食中毒はなぜ起こるの?
アニキサス幼虫が寄生している生鮮魚介類を生(不十分な冷凍、加熱のものを含みます)で食べることで、アニキサスの幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニキサス症)を引き起こします。
症状は?
- 急性胃アニキサス症(多くが急性胃アニキサス症です)
食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、おう吐を生じます。 - 急性腸アニキサス症
食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます。
芽胞菌(ウェルシュ菌、セレウス菌)について
ウェルシュ菌とは?
どこにいるの?
土や水の中、健康な人や動物の腸内など自然界に幅広く生息している細菌。
特に牛・鶏・魚が保菌していることが多く、注意が必要です。
原因となる食品
汚染された肉類や魚介類を使った「煮込み料理」。
「カレー」や「スープ」「シチュー」などの大量調理は要注意です。
ウェルシュ菌は空気が嫌いな細菌のため、粘性の高い煮込み料理を寸胴鍋で作ると、鍋底の酸素濃度が低くなるためウェルシュ菌の好きな状態になります。酸素の少ない鍋底近くでは増殖します。
そのため、食べる日の前日に大量に加熱調理され大きな器のまま室温で放冷されていた事例が多くみられます。
加熱済み食品は安心という考えがウェルシュ菌による食中毒の発生原因となっています。
菌の特徴
- 酸素(空気)がないところでも増殖する。
- 100℃、6時間の加熱にも耐える芽胞を形成する。芽胞を一度作ってしまうと、通常の加熱では死滅しません。そうなる前に、調理中はよくかき混ぜ、鍋底にも空気を送りながら加熱しましょう。
*調理後は早めに食べきり、室温で放置せずに残りを保存する場合は速やかに粗熱を取って冷蔵庫に保存しましょう。
症状 下腹部がはることが多く、主な症状は水様性の下痢・軽い腹痛。
潜伏期間 6〜18時間(平均10時間)
セレウス菌とは?
どこにいるの?
河川や土の中、ほこりなどの自然界、家畜水産物等に広く分布している細菌です。
原因となる食品
米・小麦・豆・野菜などの農作物・穀物を原料とする食品。
例えば、「チャーハン」や「ピラフ」、「スパゲティー」や「焼きそば」などは要注意
菌の特徴
- 90℃、60分の加熱にも耐える芽胞を形成する。
- 30℃前後でもっとも活発となり、冷めた調理済食品中で急激に増殖する。芽胞を一度作ってしまうと、通常の加熱では死滅しません。
*調理後は早めに食べきり、室温で放置せずに残りを保存する場合は速やかに粗熱を取って冷蔵庫に保存しましょう。
主な症状
毒素の違いにより、以下の2つのタイプに分類されます。
下痢型 | おう吐型 | |
毒素を作る場所 | 小腸 | 食品中 |
潜伏期 | 8~16時間 | 30~6時間 |
主な症状 | 腹痛、下痢 | 激しい吐き気、おう吐 |
原因食品 | 弁当、プリン など (ウェルシュ菌食中毒に似る) | 焼きそば、チャーハン、スパゲッティ など (黄色ブドウ球菌食中毒に似る) |