RSウイルス感染症とは?

RSウイルス感染症とは、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。
患者の約75%以上が1歳以下の小児で占められています。
何度も感染と発病を繰り返しますが、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染するとされています。
9月頃から流行し、初春まで続くとされてきましたが、近年では7月頃より流行が始まるようになってきています。

 

RSウイルス感染症の特徴まとめ

  • 9月頃から流行し初春まで続くが、近年では夏季より流行が始まる。
  • 非常に感染力が強い。
  • 何度も感染と発病を繰り返す。

どんな症状?

「発熱」「鼻汁」「咳」など軽い風邪のような症状が数日続きます。
潜伏期間は2~8日、典型的には4~6日です。
初めて感染する乳幼児の約7割は、数日のうちに軽快しますが、約3割は咳が悪化し、喘鳴、呼吸困難症状などが出現します。
早産児や生後24ヶ月以下で心臓や肺に基礎疾患がある、神経・筋疾患や免疫不全の基礎疾患を有する感染者の場合、重症化するリスクが高まります。しかし、重症化すると気管支炎や肺炎の兆候が見られ、中には呼吸困難を起こして入院することもあります。

 

かかってしまった時の対処法

RSウイルスには有効な抗ウイルス剤がなく対症治療(症状をやわらげる治療)、重症化した場合には、酸素投与、補液(点滴)、呼吸管理が行われます。
感染を拡大させないため、対策しましょう。

 

★感染経路をキチンと把握しましょう

病原体はRSウイルス(Respiratory syncytial virus)です。
RSウイルスは、RSウイルスに感染している人の咳やくしゃみ、または会話をした際に飛び散るしぶきを浴びて吸い込むことで感染します。
感染の多くは、この「飛沫感染」によると考えられ、ドアノブなどの環境表面についたウイルスへの接触により、鼻や口などの粘膜や傷口などを通して感染する「接触感染」も成立します。なお、RSウイルスはテーブルや手すりのような環境表面では数時間生存することができます。
非常に感染力が強く、幼稚園や保育園などの施設内感染に注意が必要です。

そのため、下記の対策の徹底をお願いいたします。

  • 子ども本人、および周囲の人がしっかりと手洗いをすること(アルコールの速乾性手指消毒剤も有効です)
  • マスクの着用(咳、鼻水などの症状がある人。マスクができる年齢の子ども)
  • 子どもたちが使用するおもちゃや、触れた場所などの消毒
  • 人混みを避ける

 

RSウイルスは子どもが主に発症しますが、気づかないうちに大人も感染している可能性があります。
お子さまをウイルスから守るために、「手洗い」「マスク」などの日ごろの感染予防対策をしっかり行い、ウイルスを防ぎましょう。