水虫について その4 「治療」

今回は爪水虫の治療について説明していきます。

爪水虫が治るまでに、どのくらいの期間がかかるのでしょう?

爪水虫のお薬は、変色、変形した爪をもとに戻すものではありません。
お薬の有効成分が効いて、感染した爪が成長に伴って先端の方へと押し出され、新しい健康な爪に生え変わることで治ります。
個人差はありますが、新しい健康な爪に生え変わるまでに、足の爪は約1年~1年半かかります。
一見、爪がきれいになったように見えても、実は白癬菌が爪に残っている場合もあります。爪が生え変わり、白癬菌がいなくなった状態を「完治」したと判断します。
自己判断で治療を中止せず、医師の指示があるまで治療を続けましょう。

治るまでにかかる期間は、年齢や重症度で違うのでしょうか?

爪水虫の治療は、「高齢」や「重症」になるほど時間がかかることがあります。
爪の伸びが速ければ、治るまでにかかる期間は短くなり、遅ければ長くなると考えられます。
個人差はありますが、爪の伸びる速さは、子どものときから年齢が上がるにつれて速くなり、20歳ごろにピークになった後は、徐々に遅くなっていきます。また、爪水虫が進行して変色した面積が増えたり、爪が厚くなったりすると、さらに治療に時間がかかる可能性があります。
爪水虫が完治するには長期間の治療が必要です。根気よく、じっくりと治療を続けましょう。

爪の生え変わりに必要な期間(個人差があるため目安となります)

足 の爪 ➡  約1年~1年半

手 の爪 ➡  約半年~1年

治療方法は?

爪水虫の治療薬には「のみ薬」と「ぬり薬」があります。

のみ薬
お薬を飲むと、有効成分が血液により爪まで運ばれて、皮膚や爪の内側から効果を発揮します。

ぬり薬
爪の表面にぬることで、有効成分や白癬菌のいる爪の中や爪床(爪の裏に接している皮膚)まで浸透し、効果を発揮します。

※治りにくい場合は、症状がある爪を削り取って治療することがあります。

薬局などで買える市販薬(OTC医薬品)で治せるのでしょうか?

医療機関で処方されている薬(のみ薬、ぬり薬)と同じ成分の商品は市販薬として販売されていません(2023年5月時点)

爪水虫は、治療を始める年齢や重症度などで治療期間が変わるため、気づいたら早めに医療機関を受診し治療を開始することが重要になります。