アニサキスによる食中毒を予防しましょう

生鮮魚介類に寄生したアニサキスによる食中毒が発生しています

■アニサキスによる食中毒(アニサキス症)について

アニサキスって何?

アニサキスは寄生虫(線虫)の一種です。

その幼虫(アニサキス幼虫)は、長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。
サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。
アニサキス幼虫は、寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動することが知られています。

 

■アニサキスによる食中毒はなぜ起こるの?

アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を生(不十分な冷凍又は加熱のものを含みます)で食べることで、 幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。
季節的には12~3月の寒期に多くなっています。
魚介類の生食後、1時間から2週間で発症し、感染から約3週間以内で自然に消化管内から消失します。通常幼虫1匹で発症します。

 

■アニサキスによる食中毒(アニサキス症)の症状は?

◆ 急性胃アニサキス症 
食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。

◆ 急性腸アニサキス症
食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます。

その他、アニサキス幼虫が胃壁等に刺入しない場合でも、アニサキスが抗原となり、じんま疹やアナフィラキシーなどのアレルギー症状を示す場合があります。

※ 多くが急性胃アニサキス症です。
※ 激しい腹痛があり、アニサキスによる食中毒が疑われる際は速やかに医療機関を受診してください。 

 

■過去3年間のアニサキスによる食中毒発生状況

過去3年間のアニサキスによる食中毒発生状況

 

■アニサキスによる食中毒の予防方法は?

まずは、鮮度を徹底!目視で確認!

◆ 魚を購入する際は、新鮮な魚を選びましょう。また、丸ごと1匹で購入した際は、速やかに内臓を取り除いてください。
◆ 内臓を生で食べないでください。
◆ 目視で確認して、アニサキス幼虫を除去してください。

さらに、冷凍・加熱が有効!

〇冷凍する。 (-20℃で24時間以上) 家庭の冷凍庫の場合 設定温度を確認
〇加熱する。 (70℃以上、または 60℃なら1分)
※ 一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません。 

 

■治療薬はありますか?

アニサキス幼虫に対する効果的な治療薬はありません。
なお、治療法に関しては、胃アニサキス症では胃内視鏡検査時に胃粘膜に穿入する虫体を摘出します。腸アニサキス症では対症療法を行い、場合によっては外科的処置が施されます。
また、アニサキスアレルギーに対しては、アレルギーに関する対処療法を行いますが、アナフィラキシーの場合、緊急に医療処置を行う必要があります。